アライグマは一見オスもメスも同じように見えますが、見比べてみると違いがあります。
鳥類のように、オスの羽根色は鮮やかでメスは控えめ、というようなわかりやすい特徴ではありませんが、どのような違いがあるのか、見分け方を解説します。
オス、メスの見分け方
アライグマの大きさは、約40~65センチで体重は約4~10キロです。
一般的にオスのほうが体は大きく、体長1メートル、体重20キロを越える個体もいます。
生息地の環境によって差異が生じ、個体差に幅があります。
飼育下のアライグマは野生のアライグマよりも大きく成長する傾向がみられます。
また、尿道の位置と生殖器で見分けることができます。
オスの尿道口の位置は腹部の真ん中よりも少し下にあり、メスの場合は肛門の手前の位置にあります。
さらに、子育て中のメスは乳首が発達しているため尿道口の位置を確認するよりもこちらのほうがわかりやすいでしょう。
行動範囲の違い
アライグマは様々な場所に移動して生活しますが、オスのほうが行動範囲が広いといわれています。
行動圏は直径1~3キロといわれていますが、生息地の地形や餌の分布、季節によって異なります。
最大で10キロも移動し、オスの行動圏の中に複数のメスの行動圏が含まれています。
発情期になると、オスはメスを探して行動圏を拡大する様子が確認されています。
アライグマは一夫多妻制
アライグマのオスは複数のメスとの間に子どもを儲けます。
オスはメスと共に子育てはせず、子どもが独り立ちするまで母子で行動をします。
春先の出産期には、3~6頭の子どもが生まれ、約50日後には住処から外に出ます。
性成熟が早く、メスは1歳から妊娠できるようになり、オスは2歳から繁殖行動が可能です。
子どもの生存率が高いことも、日本での野生化が進んだ要因のひとつといえます。
まとめ
アライグマの性別を見分けるには、お腹側にある尿道の位置や生殖器で判別するのが確実ですが、生きて動いているアライグマの性別を見分けるのはなかなか難しいかもしれません。
アライグマは後ろ足で立ち上がることもありますので、そのときはチャンスです。
よく観察してみましょう。