アライグマといえば、犬のようなかわいらしい顔にしましまの尻尾、前足を洗うような仕草が思い浮かびますね。
しかしアライグマは日本の在来種ではなく、「特定外来生物」に指定されています。
残念ながら各地でアライグマによる獣害が報告されており、対策に乗り出している自治体もあります。
一体どういった経緯で日本に来たのでしょうか?
日本で繁殖した理由も解説します。
なぜ日本に来たの?
アライグマは北米原産の生き物です。
1970年代の大人気名作アニメに登場し、日本にも輸入されペットとして飼育されていました。
アライグマは警戒心が強く、気性も荒く力が強いため一般家庭で飼うには手を焼くようになり、手放してしまったケースもあるようです。
もちろん現在は、国の許可を得ない限り販売や飼育は禁止されています。
また、アニメの登場から遡って1962年、愛知県の日本モンキーセンターで飼育していたアライグマ12頭が脱走した事件が発端ともいわれています。
そのうち2頭が未回収のまま岐阜県でも目撃情報が挙がり、1970年代には野生化が正式に確認されました。
なぜ繁殖したの?
今や害獣として駆除されるようになったアライグマ。
ほぼ全国に分布していますが、なぜここまで繁殖したのでしょうか?
繁殖力が高い
アライグマは繁殖力が高く、競合する生き物も天敵もいません。
一夫多妻制で、メスは1歳で妊娠し、1度の出産で3~6頭を生みます。
主に春先の出産ですが、夏から秋にかけてもう1度出産する個体もいます。
雑食性
木の実、果物、野菜、鳥類、魚類や貝類、虫や両生類など、食うに困らない雑食性です。
人間が捨てたゴミを漁って食べたり、農作物を荒したりするため問題となっています。
適応能力が高い
自分で巣を作らず、他の生き物の巣穴、木の洞、民家や神社の屋根裏に住み着きます。
暖かい地域から寒い地域、平地や山地、どこでも生息することが可能です。
住むところにも困らないのです。
まとめ
外来種の動物を飼育放棄してしまい、生態系に悪影響を与えているニュースはテレビでも見かけますね。
アライグマが実はそんな外来種だと知らない方もいらっしゃるかもしれません。
かわいらしい見た目とは裏腹に、攻撃的な性格の野生動物ですので、飼い犬や飼い猫が襲われたというケースも多々あります。
見かけても不用意に近づかないようにしましょう。