アライグマによる農作物の被害は年々増加し、各地で深刻な問題となっています。
農林水産省の調査によると、平成24年度時点での被害総額は約3億3千万円。
1970年代に野生化し、その習性によって日本に定着してきたアライグマが農作物に及ぼす影響は甚大です。
どのような対策があるのか紹介します。
アライグマによる農作物被害の特徴
アライグマは前足がとても器用で、農作物の食べ方にも特徴があります。
スイカやメロンは穴を開け、前足で中身を取り出して食べます。
トウモロコシは真横に倒してきれいに食べ、イチゴはヘタを残して食べます。
もしアライグマによる被害か判別ができない場合は、自動撮影カメラを設置し確認をすると確実です。
または、特徴的な足跡が残っていないか探してみましょう。
基本的なポイント
収穫した農作物は、アライグマに食べられない場所に保管しましょう。
また、収穫できる農作物は早めに収穫を終えるようにします。
廃棄する農作物は畑に放置せず早めに処分します。
アライグマの餌になる可能性がある状況を作らないよう心がけます。
電気柵を設置
アライグマの侵入を防ぐために、農地や畑の周囲を電気柵で囲う方法です。
電線に触れると電流が流れますので近づかないようになります。
柵の付近は定期的に草刈りをし、電線に触れないようにすると同時にアライグマが身を潜める場所をなくします。
アライグマの鼻先に電線が触れる位置に設置することもポイントです。
罠で捕縛
罠を使用するには狩猟免許を持った上で狩猟期間に行うか、捕獲許可をとることが必要です。
箱罠や、近年ではエッグトラップという対アライグマ専用の罠が注目されています。
もし罠にかかった場合は、速やかに自治体へ連絡しましょう。
捕縛したアライグマは移動が禁止されていますし、適切な方法で処分をしなければいけません。
自治体や専門業者に相談
アライグマの被害が多発している地域などは、自治体で対応している場合があります。
罠の貸出を行っている自治体もありますし、専門的に駆除を行う業者もあります。
個人で対応すると様々な手間がかかりますので、専門的に取り扱ってくれるところを頼るのがよいでしょう。
まとめ
農作物被害が直接収入に関わる専業農家は実質的な被害が甚大ですし、家庭菜園の野菜が荒らされてしまうのはとても心の痛いことです。
自治体が対応している場合は相談し、少しでも被害を減らせるよう対策していきましょう。
特に電気柵は北海道のトウモロコシ畑で非常に効果が高かったという報告がありますので、有効であるといえます。