かわいいイメージのあるアライグマですが、野生化した彼らは凶暴で人には懐きません。
また、アライグマの糞にはアライグマ回虫というアライグマの体内でしか成虫になれない回虫の卵が含まれています。
これが人体に入ってしまうととても危険なのです。
アライグマの糞について、その特徴と危険性、注意点をまとめました。
アライグマ回虫とは
北米のアライグマの体内にはごく普通に見られる回虫で、アライグマの小腸に寄生しています。
アライグマの体内でしか成虫になれません。
今現在、日本で感染例はないもののアメリカでは死亡例が報告されています。
日本の野生のアライグマからアライグマ回虫が検出されたことはありませんが、動物園で飼育されているアライグマからは検出されていますので野生のアライグマは保有していないとは言い切れません。
人間に感染したらどうなる?
アライグマの糞と共に排出されたアライグマ回虫の卵が人間の体内に入ってしまうと、幼虫移行症という症状が表れます。
成虫になれず体の中を動き回ることにより引き起こされます。
中枢神経や脳に入り込むと脳神経障害を引き起こし後遺症が残る恐れがあり、眼に入り込むと、最悪の場合失明してしまいます。
残念ながら幼虫移行症に特効薬はなく、中枢神経に入り症状が見られてからでは治療が難しくなります。
よって、予防することが最重要となります。
糞の特徴
アライグマは雑食性のため、餌の種類によって糞の状態も異なります。
糞の直径は2センチ~3センチ、長さは5センチ~18センチ程度です。
細かく咀嚼しないため、餌の内容物がそのまま排出されていることがあります。
処理をする場合は、肌の露出を避けマスクや手袋を着用し、終了したら服を消毒・殺菌し丁寧に手を洗いましょう。
手で触ったり、近づいたりしない
素手で触ることはもちろん、乾いた糞が風で飛ばされることもありますので近寄らないようにしましょう。
特に小さい子どもは、何でも手に触れて口へ持っていきますので注意が必要です。
アメリカでの感染例のうち、多くが幼児の例だったのです。
アライグマの糞かどうかわからない場合も、不用意に近づくことは避けましょう。
まとめ
アライグマ回虫は、幸いなことに日本での感染例はありません。
逆に言えば、認知度が低く危険性や予防策の理解もあまり進んでいないといえます。
特に小さなお子さんは感染のリスクが高いため、外遊びをするときは目を離さないようにし、帰宅したら徹底した手洗いをしましょう。